ふくじいは思った。
ふくじい:小麦粉を洗ったあとの水はどう処理されておるのじゃ?
環境問題にもしっかりと取り組んでいますよ!
■水の処理について「環境問題にも真剣に取り組んでいます。」
小麦粉を洗う際に使われた水の処理も、そのまま海に流すと環境汚染となります。長嶺さんは、ふくじいを工場の外にある、浄化槽へと案内しました。
ふくじい:このタンクはなんなのじゃ?
ながみね:これは、小麦粉を洗ったあとの水をきれいにする、浄化槽です。小麦粉を洗う際には、1回に8トンもの水を使います。洗ったあとの水は、でんぷんなどが含まれており、非常に酸性値が高く、そのまま海に流すと、環境汚染となってしまうからです。
ふくじい:それにしてもずいぶんと大きな浄化槽じゃな。
ながみね:浄化槽は、さながら「影の努力」で、設置するには莫大な資金が必要となるため、県内のほとんどの麩の会社では、自社でのグルテン製造ができないのが実状なんです。そういった他社のグルテン製造も、浄化施設の整っているふくじゅで引き受けています。
ふくじい:他社のグルテンまで作るとはまたまた感心じゃな。
ながみね:本来、麩の製造会社であれば、自社の配合でグルテンを製造したいのが本音だと思いますので、各会社の配合に合わせて、グルテンを作って供給しています。
ふくじい:うむ。すばらしい助け合いじゃ。
ながみね:使われた水は、まずこの浄化槽のタンクにためて、ph値を調整したあと、うわ水だけを流します。万が一、うわ水がph値を超えていた場合でも、最終止めの浄化槽があって、そこで再び浄化して、でんぷんが海に流れ出ることがないようにしています。
ふくじい:おお。なんとすばらしい浄化のシステムなんじゃ。
ながみね:すぐそこに見える、沖縄の青く美しい海を守るためにも、企業も努力していかなければならないと思います。
ふくじい:そうじゃな。今日は工場を案内してくれてにふぇーでーびる(ありがとう)。麩の作り方も、ふくじゅの麩作りにかけるこだわりも、環境問題に取り組む姿勢も、よくよく分かったぞ。沖縄に昔から伝わるおいしい麩を家庭に届けるためにも、がんばってくだされ。
ながみね:ありがとうございました。
小麦粉を洗った後の水をきれいにする浄化槽
グルテンの抽出には8トンもの水が必要です
万が一に備え、最終止めの浄化槽も設備
いつまでも沖縄の海はきれいであってほしい