ふくじいは思った。
ふくじい:小麦粉を洗った残りのでんぷんはどうするのかの?
だいじょうぶ!ちゃんと利用されていますよ。
■でんぷんもこうして利用されている
麩の原料となる小麦粉(強力粉)を洗う際にできるでんぷんは、ある意味で「副産物」。粉末にして、沖縄の行事には欠かせない、黒線香の原料や、家畜のえさとして出荷されます。
ふくじい:こっちの部屋にある、おっきな機械はなんじゃな?
ながみね:これは、最初に小麦粉を洗ったときにできる、でんぷんを加工する機械なんですよ。
ふくじい:小麦粉を洗うと、グルテンとでんぷんができるんじゃったのう。
ながみね:小麦粉を洗ってできた液状のでんぷんは、管を通って、この部屋のタンクに運ばれてくるんですよ。これを脱水機にかけて、このような半乾きのような状態にします。
ふくじい:ずいぶんと長い管を通ってくるんじゃな。
ながみね:さらにこれを乾燥機にかけて、さらさらの粉末のでんぷんができあがるんですよ。
ふくじい:おう、ほんとにさらさらじゃ。
ながみね:この粉末のでんぷんは、沖縄の行事で欠かせない「黒線香」の原料として、線香の会社に出荷されたり、また家畜の飼料として、各農家へと出荷されます。
ふくじい:でんぷんが線香の原料になるとは、驚きじゃな。
ながみね:あと、のりの原料としても使われます。ほら、となりに見える段ボール工場が見えるでしょう?段ボールの接着に、このでんぷんが使われているんですよ。
ふくじい:のりにも使われているとは驚きじゃな。小麦粉からグルテンとでんぷんが作られ、そのでんぷんもまたいろいろと活用されておるのじゃな。
ながみね:ところで、小麦粉を洗う際に使った、大量の水のことを覚えていますか?
ふくじい:もちろんじゃ。1トンの小麦粉を洗うのに、8トンもの水が必要になるんじゃったな。
ながみね:そうです。次は、この洗った後の水の処理についてご案内しましょう。
液状のでんぷんを脱水する機械
まだ半がわきの状態のでんぷん。粒も大きい
乾燥機にかけて、さらにさらさらの粉末に
沖縄の行事には欠かせない黒線香は煙が少ないのが特徴。