麩の工場見学:グルテンからどうやって麩になるの?

ふくじいは思った。
ふくじい:はて。このグルテンからどうやって麩はできるのかの?
不思議なグルテンはこうして麩になるんですよ。
工場見学>> 最初の工程|グルテン|でんぷん水(環境問題)

■グルテンから麩ができるまで

次にふくじいが訪れたのは、グルテンを加工する部屋。先ほどの小麦粉を洗うところと違って、ここはたくさんの人たちが手作業で麩の原料となるグルテンを加工しています。

また小麦粉をまぜちゃうの?

ながみね:抽出されたグルテンは、機械で小麦粉とまぜて、形を整えて1時間半ほどねかせておきます。
ふくじい:せっかく小麦粉を洗ったのに、また小麦粉をまぜるのかね?
ながみね:はい。小麦粉をまぜることによって、しっかりとふくらみ、さくさくとした歯ごたえのある麩ができるんですよ。でもここで、小麦粉をたくさん入れすぎると、水に解けやすい麩になってしまうので、考慮した量のみを投入します。グルテンの品質がしっかりしてないと、小麦粉と合わせても麩がしっかりとふくらまないんです。これもふくじゅのこだわりなんですよ。
ふくじい:ほう。またまた感心じゃな。沖縄の麩は、水につけてよーく絞るから、水に溶けやすいと困るからのう。
ながみね:次は、寝かせた生地をプレスして、棒状に裁断します。
ふくじい:お、やっと「麩」らしくなってきたのう。
ながみね:さあ、次はこの棒状の生地を焼いていきますよ。
ふくじい:お、これは車麩じゃな。

職人にしかできない!

ながみね:ここからは、職人の仕事です。車麩は、まず生地をしっかりとのばして、手早くパイプにまきつけていくんですが、こればかりは機械化ができません。均等に、隙間なく、すばやく、丹精込めて巻きつけていく作業なんです。
ふくじい:これはなんだかむずかしそうじゃな。長年の経験と勘が発揮される作業なんじゃな。
ながみね:パイプに巻かれた生地は、この強力な遠赤外線バーナーの釜を通って、230度で15分間、じっくりときつね色に焼かれていきます。

県内でも数少ない直火焼きのひみつ

ふくじい:おおー!すごく香ばしいにおいがしてきたぞ!
ながみね:ふくじゅの車麩は、この遠赤外線バーナーの強力な火力で、「直火焼き」を実現させているんですよ。麩に直に火があたることによって、香ばしく、パリっとした車麩ができるんです。車麩の作り方には、他に、筒の中に入れて焼く方法もあるんですが、火力が直接あたるのとあたらないのでは、できあがりがまったく違ってくるんですよ。沖縄県内でこの「直火焼き」で車麩を焼いているところは、数少ないと聞いています。
ふくじい:うむ。直火焼きで焼かれた車麩は、本当にすばらしく香ばしいぞ。色もなんともいえん、きつね色じゃ!ふくじゅの車麩がサクサクしとるのは、やっぱり直火焼きというひみつがあったんじゃな!
ながみね:そうなんですよ。ふくじゅの香ばしいきつね色の車麩は、直火焼きならでは、なんです。

形が悪くても味はいっしょ!

ながみね:お店で麩を買うときに、ぜひ、他の麩と色を比べてみてください。黒ずんでないか、逆に全体的に、白っぽくないか。昔から伝わるグルテンの配合を守り、この直火焼きで焼き上げたふくじゅの麩の色は、どこにもない色だと思っています。
ふくじい:なるほど。車麩1本に込められた思いが、そのまま商品にも表われておるんじゃな。それにしても出来上がった車麩は、なんともおいしそうじゃのう。まるでフランスパンのようじゃ。
ながみね:最後に、十分に熱をとって、車麩の長さに切断し、包装の機械のある部屋に運ばれて、袋に包装して出荷されます。
ふくじい:おお、これはわしがいつも食べておる「くるま麩」じゃ!なるほど、なるほど。麩は、あの奇妙なグルテンから、たくさんの工程を経て、こうやって商品として出荷されるんじゃな。小麦粉を洗うときからじゃと、およそ2日間もかかってできることになるぞ。こんなに手間ひまがかかっておるとは思いもしなかったぞ。
ところで、小麦粉からグルテンをとるときにできるでんぷんは、どうなるのかの?
グルテンに小麦をまぜる機械の写真

グルテンに小麦粉を加えて練りこみます

グルテンの生地を成型している写真

生地を成型するのは手作業。このあとじっくりと生地を寝かせます

生地を棒状に切っている写真

寝かせた生地を棒状に切っていきます

パイプに生地を巻きつけている写真

生地をパイプに巻きつける作業は職人の手作業

麩を焼くバーナーの写真

たくさんの遠赤外線バーナーでじっくりと焼かれる

麩がきつね色に焼かれている写真

釜のなかでじっくりと焼かれる麩

焼き上がりの麩の写真

こんがりきつね色に!

焼かれた麩を切断している写真

一定の長さにカット

ずらりと並ぶ麩の写真

フランスパンみたい!

麩を包装している写真

本数を整えて包装

次の工程(でんぷんはどうなるの?)を見る >>